今日も事業再生のお話。。
昨日のDIP型会社更生法のブログを見て、クライアントの社長様から事業再生ADRについてネタふりがあったので。。
http://ameblo.jp/ikp-president-blog/entry-10264875964.html
事業再生ADRの案件は、早めの対処として行われる手法だったりします。
ADRは、Alternative Dispute Resolutionの略で、「代替的(Alternative)紛争(Dispute)解決(Resolution)」と直訳だとなるのでしょうか。
実際は、裁判外紛争解決手続のことをADRと呼んでいます。
さて、この事業再生ADRは、法的手続きと私的整理の間のような手法です。
以前のブログでも紹介しましたが、法的整理としての代表的なものが昨日の会社更生法と民事再生法です。
で、私的整理は、私的整理ガイドライン研究会(全銀協や経団連、各種専門家の集まり)が発表したガイドラインに従って行われるものが代表的なものです。
今日の事業再生ADRは、「裁判外」紛争解決手続ですから、私的整理に分類されます。
ただし、ADRは産業活力再生特別措置法によるところなので、私的整理でありながら法的な権威を付加した手続きと言えます。
なので、先ほど説明したとおり「法的手続きと私的整理の間のような」手法なわけです。
さて、具体的な手法は、各種の本によるところして、、、
大まかに話せば、私的整理において、認証紛争解決事業者というのが債務者と債権者の間に入って整理していくということです。
この認証紛争解決事業者は、産業活力再生特別措置法の第48条に規定されているとおり、認定された事業者です。
この法的に認証された事業者が間に入ることで、透明性のある私的整理が実行することができます。
また、私的整理なので当然ですが、私的整理の枠には特定の債権者のみを組み込むことができます。
民事再生法や会社更生法が債権者全体をその法的枠組みに入れる手続きであるのに対し、事業再生ADRは主に借入金と社債の引き受け手である金融機関とのみ交渉するものが多いです。
例えば、直近のADR案件として代表的なものは、日本アジア投資さんがありますが、プレスリリースには以下のように記載されてます。
「また、当該手続きの対象は、既述の通り借入金及び社債(私募債)に関わる取引金融機関のみであり、ファンド運営を始めとした当社としての事業活動になんら支障を及ぼすものではありません。」
これからもわかるように、金融機関に限定されてます。
また、先月末のADRを表明した不動産関連のコスモスイニシアさんも以下のとおり記載してあります。
『当社は、事業再生ADR手続の取扱事業者として、法務省及び経済産業省より認定を受けた事業再生実務家会(以下、「JATP」という。)に対して、平成21年4月17日に、事業再生ADR手続利用についての申請を行い、同日受理され、同日付でJATPとの連名で、全お取引金融機関に対して「一時停止の通知書(借入金元本返済の一時停止等)」を送付いたしました』
これでも、下線部のとおり、金融機関に限定した交渉をしているのが伺えます。
金融機関は金融機関にも株主がいるわけで、貸出先が業績悪いからすぐに債権放棄してあげます!というわけにはいきません。
ですので、私的整理といえど、ある種の法的な手続きという「納得させられる理由」があると債権放棄もしやすいので、やはり公正・透明性のある事業再生ADRは良い手法だと考えられます。
ただし、事業再生ADRは私的整理であるわけなので、金融機関同士の調整がうまくいかないと、やはり法的整理へ突入せざるを得ません。
その点は留意が必要ですね。
また、中小企業などは取引金融機関もそれほど多くないでしょうから、事業再生ADRを活用することは十分に考えられます。
今日は、そんな事業再生ADRのお話でした。。